洗濯動線について考えてみる

共働きが当たり前の現在、

家事にかかる手間や時間を短縮することは、

家づくりで大切なことの1つですが、

実は、洗濯作業に関しては、

よく考えて間取りを考えないと、

手間と時間が短縮出来るどころか、

むしろ逆に、手間と時間が余計かかってしまうことになります。

では、一般的な家では、

洗濯の一連の流れはどのようになるのでしょうか?

✔2階のベランダに干す場合

洗濯機の中から、

濡れた重い洗濯物を長い距離持ち運びするのは、

なかなかな重労働ですが、

もし洗濯干場が2階のベランダだとしたら、

洗濯機から最も遠い場所に干しに行かなくてはいけなくなります。

そして、若いうちはまだしも、

歳をとってから辛くなるのがこの動線です。

今は想像できないでしょうが、

もし、あなたの足腰が弱ってしまったとしたら?

それでも我慢して2階に上がるか?

お金を出して洗濯干場を1階に増築するか?

このいずれかを選択せざるを得なくなってしまいます。

また、ベランダで洗濯物を干す場合、

洗濯物が周囲から丸見えになってしまうため、

防犯的に決して良くないこと、

そして、せっかくの美しい外観を

損なってしまうことにもなります。

✔キッチンや洗面の勝手口から外に出て干す場合

2階のベランダまで干しに行くのが面倒だからと、

キッチンや洗面につくった勝手口近くに洗濯干場をつくり、

そこに洗濯物を干しているお家も数多くあります。

これは、ベランダに比べて動線が近くなることから、

動線としては一見便利そうに感じますが、

わざわざ外に出て洗濯を干すようになるので、

干す、取り込む、の作業が大変になります。

洗濯物を干している間、

ずっと外に居ることになるため、

暑い夏や寒い冬はなかなかな辛い作業となるし、

取り込む時、

外と中を何回も往復しないといけなくなるからです。

そして、この動線の場合、

一番気になるのが、

作業中ご近所さんと顔合わせしてしまうことです。

結果、パジャマやノーメイクのままで、

洗濯物を干したり、取り込みにくくなってしまうため、

わざわざキレイに身支度しないといけなくなってしまう

というわけですね。

✔洗濯動線は一連の動作全てを考えてつくる

洗濯動線を考える時、

“干す〜取り込む〜たたむ〜片付ける”

の一連の流れ全てを考慮することが大切です。

洗濯機からより近い場所で干せて、

かつ、室内から手を伸ばせたら干せて、

そして、取り込む時も、

室内から手を伸ばしたら取り込めて、

かつ、すぐ近くに洗濯物の置き場があって、

たたんだ洗濯物を片付ける収納が近くにあって、

かつ、そこには管理しやすく片付けることが出来て、

その一連の動作を、

人目を気にすることなくすることが出来れば、

これが最良の洗濯動線だと思いませんか?

また、なるだけ洗濯物を、

周囲から見えない場所で干すことが出来れば、

防犯的にも景観的にも言うことないですよね?

ということで、家づくりをする時には、

以上のようなことも踏まえつつ、

間取りを考えるようにしていただければと思います。

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